児童虐待実録インタビュー

当ブログはタウン情報誌jam函館が運営しております。

どぉも、サゴンです。

10/20発売、jam函館11月号の「道南便り」では、児童虐待について取材しました。全国的にも児童虐待の被害は増加の一途を辿っていますが、函館も例外ではありません。今回は、函館児童相談所の協力のもと、函館管内における児童虐待に関するデータをまとめました。個人的に驚いたのは、虐待者に実母が多かったことと、児童本人からの虐待相談が1%にも満たなかったこと・・・。

また、今回は実際に子供が虐待を受けていたという女性にお話を伺いました。誌面では紹介しきれなかったインタビューの全文を掲載します。

(インタビュー/jam函館 島澤)



jam(以降・j)今日はお忙しい中ありがとうございます。函館にも児童虐待で悩んでいる方がたくさんいらっしゃるので、言いにくい事も多いとは思いますが話せる範囲でご協力ください。


Aさん(以降・A)こちらこそお願いします。気にせずに何でも聞いて下さい。


j ありがとうございます。では早速ですが、虐待はいつから始まったのですか?

A 前の旦那との間に6歳の息子がいるのですが、最初は息子が2歳の時ですね。この子は、軽い知的障害を持っていまして、それに気付いたのが2歳の時。現在も3〜4歳くらいの知能なんです。会話も、食事も、トイレも問題がない程度。しかし、旦那にとっては“自分の子供が障がい者”というのがどうしても絶えられなかったのでしょうね、凄くプライドの高い人だったので・・・。そんな時にタイミング悪く、職場で大規模なリストラがあり、それをきっかけに爆発してしまったのでしょうね。



j 具体的にはどんな事をされていたのですか?

A 最初は言葉の暴力。「こいつは俺の子じゃない」とか「お前が馬鹿だがら、コイツに移ったんじゃねーのか」など、色々と言われました。その時はまだ「旦那のストレス発散を手伝うのも妻の仕事だ」と思って、息子に「ゴメンね」と謝りながらも耐えていました。それから徐々にエスカレートして、息子が泣くと物を投げつけたり、蹴ったり、煙草を押し当てたり・・・。父親とは思えない行動をとる様になりました。私が止めに入ると、今度は私を・・・。それでも「いつかは元に戻る日が来る」と信じて誰にも相談せず、息子と二人で半年間耐え続けました。



j 旦那さんはお酒など飲んで豹変するタイプですか?

A いいえ、全くお酒が飲めない人でした。今思えば、ストレス発散の手段が無い人でしたね。結婚する前から仕事一筋だったので・・・。



j その仕事を失った怒りと寂しさが家族に向けられてしまったのですね。

A 本当にそう思います。私はともかく、息子にまで向けられたのは凄くショックでしたね。



j なるほど。その半年間で最も辛かった事はなんですか?

A 肉体的な辛さよりも、息子の名前を忘れてしまったという事を知った時ですね。再就職に使う履歴書を記入している際、「おい、コイツの名前って○○でいんだよな。漢字は?」と言いました。その瞬間、「この人は自分の子供を何だと思っているのだろう」と。それと同時に「今まで耐えてきた半年間は何だったのだろう」と涙が込み上げてきましたね。


j それが離婚の決め手に?

A そうですね。それと、息子が旦那に一切近づこうとしなくなったのもあり、決心がつきました。



j DVや虐待を受けていた時に、行政などには相談しなかったのですか?


A 離婚を決意する少し前にしました。(※)しかし話を聞いてくれた人が「大変ですね。ではコレに記入をして○○日までに持ってきて下さい」という、あまりにも事務的・機械の様な対応でした。別に、優しくしてほしいとかではないのですが、もっと真剣に話を聞いてほしかったですね。頼っているわけですから。



j その一回だけですか?

A そうです。それ以来、一切相談には行っていません。もう二度とする気もありませんし、「育児手当・母子家庭の手当をもらえればいいや。お金だけ下さい。」って感じです。


j 現在はお一人で息子さんを育てているのですか?


A そうです。両親も他界してしまったので、私に残っているのは息子だけ。幸いにも、今の職場が理解力がある人ばかりなのでシフトやお給料の面以外でも、『衣・食・住』の面でも大分助けていただいています。行政よりも、何倍も頼れる存在だし、温かい。



j 話は変わりますが、『DV』と『虐待』に接点はあると思いますか?

A あるでしょうね。しかし、ストレス発散の矛先が配偶者か子供かの違い。旦那もそうでしたが、やる人にとっては誰でも構わないのだと思いますよ。自分より弱い人間には見境無くやるのでしょうからね。



j 昔から、パチンコ屋の駐車場に子供を放置する親がいますが、どう思いますか?

A そもそも、パチンコをやるお金があるのだったら子供に美味しいご飯でも食べさせてやれって感じですね。託児所があるお店もあると聞きましたが、それもどうなのかな。子供の事を一番に考えていれば、ギャンブルなんて自然と考えないと思うのですけどね。まぁ車内に放置するくらいなので、愛情がないのでしょうね。本当に可哀想。これも一種の虐待ですよね。



j 現在、児童虐待に悩んでいる人に向けてアドバイスがあればお願いします。

A どんな状況でも、自分をしっかり持つという事に尽きると思います。悩んでいても何も始まりませんし、誰も助けてくれない。自分自身が『子供は私が守る』という信念だけ持っていれば、自然と何をするべきかが見えてくると思いますよ。親がクヨクヨ悩んでいると子供が不安になりますから、常に笑顔。怒る時は何故悪いのかを納得するまで教え、誉める時は頭をなでてとことん誉める。当たり前の事ですが、ポジティブに考えないと自分が辛くなるだけです。本当にそれに尽きます。



j 貴重なお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。これからも頑張って下さい。


※Aさんが相談したのは函館児童相談所ではありません。



プロフィール/Aさん
1980年生まれ。30歳。函館市在住。22歳の時に同歳の男性と結婚。その後、24歳で長男を授かるが、2歳の時に軽い知的障害があると知る。それをきっかけに虐待やDVが始まり、27歳の時に協議離婚。現在は飲食店に勤務しながら子供と二人暮らし。

関連記事(自動抽出):

mixiチェック このエントリーをはてなブックマークに追加

※このエントリーは「函館情報市場『ハコイチ!』」が行っています。

コメントはまだありません。

現在、コメントフォームは閉鎖中です。

トラックバック送信先:http://www.hakoichi.jp/blog/05_staff/99_old-staff/4887/trackback/

トラックバック/ピンバックはありません。