ハコダテノヒト6月号~松田聡さんインタビュー~

当ブログはタウン情報誌jam函館が運営しております。

jam函館、道南便りのページで連載中の『ハコダテノヒト』。
5/20発売の6月号では、行政書士松田聡事務所の松田聡さんにインタビューしてきました。
今回も、紙面で紹介しきれなかったその内容をココでご紹介したいと思います。
ハコダテノヒト 第十五回…松田聡さん(まつだ さとし)さん
(行政書士松田聡事務所)
↓続きは下をクリック↓
(略歴)
函館出身。北高校卒業後、函館地方法務局勤務。約20年の経験を経て、『行政書士松田聡事務所』を開業。3年程前から自分史作成教室を開講の他、様々なセミナーも開催。現在も、行政の手続きや日常生活での悩みなど、幅広く市民生活のサポートに奮闘中。


jam(以下・j)「今日はよろしくお願いします。さっそくですが、松田さんが今セミナーなどで広めている“自分史作成”とは一体どんなものなのでしょうか?」


松田(以下・松)『先日このセミナーに参加して下さった方で、自分の事業をどういう方向に進めていったらいいのだろうと相談に来ていました。でも、実際に進めていくのはご本人ですよね。誰かに聞いて方向を見出すとなっても、やっぱり自分のカラーを出したいじゃないですか。進む方向、手法といったものは本人でないと打ち出せないんです。だったら、まず自分の得意な部分とそうでない部分。これを把握して、それを踏まえた上でやっていかないとダメなんです。そのためにもこの自分史はあるんですよ。』


j「たとえば、どういったことを書いていけばいいのでしょう?」


『お年寄りの話を聞いてると、「昔の函館はこういうことがあって、私達はこうやって切り抜けてきたんだよ」ってよく聞きますよね。ああいう話を、若い人達にも繋げていく必要があるんじゃないかと思うんです。綺麗な文字じゃなくても構わないから、その時の思いを素直に書いて欲しいですね。たとえばこれから結婚する人も、今の自分がどんな気持ちで結婚するのかとか、自分自身の宣言を綴っていって欲しいんです。何かあったらすぐ離婚って多いじゃないですか。その前にこれを見て、あのときはこうだったな~って思い起こして欲しいんです。』


j「なるほど。自分を見つめ直すきっかけと、また新たに何かをスタートする次へのステップになるんですね。」


『ええ。本屋さんに行くと、たとえば行政書士の本でも「1,000万稼ぐ方法」とか色々なのがありますよね。はっきり言って、その人はそれで1,000万稼げたけれど同じようにやったからといって出来るかといったら…まず無理です。だったら自分のカラーをしっかり出した方が良いですよね。最後は自分を信じるしかないですから。』


j「たしかにそうですね。けれど自分を出すというのも、なかなか難しかったりするときが多いですよね。」


『実は悩んだ時、あることをやれば悩みが軽減できるんですよ。』


j「それはなんですか?」


『紙に書き出すことです。』


j「紙に?」


『普通やらないでしょう?でもですね、みんな1回は経験したことあると思うんですが夜眠れない時ってあるじゃないですか。テレビを見ても気が紛れない。布団に入っても眠くならない。だったら、ノートに今の思いを吐き出してしまえば良いんですよ。「今日はこういうことがあって人とぶつかってしまった」って書いて、その人と仲直りしたいのか、もしくは一生恨むって書くかもしれない。けれどそういった自己分析をすると少し考えが整理されていくんですよ。』


j「自分を冷静に判断できそうですね。ところで、先ほど少し離婚について触れましたが、そういった相談はこちらにも多いのでしょうか?」


『ええ、なんでこんなに多いのでしょう?あとギャンブルによる借金トラブルも多いですね。』


j「函館は特に多いとよく聞きますね。」


『我々司法書士は弁護士ではないので訴訟は出来ないですが、入口段階でまず本人に気付いてもらうことは出来るんです。離婚もギャンブルによる借金も共通しているところがありますね。』


j「自分が見えていない…とかですか?」


『ええ。それと、楽な方へ行こうとしてしまう気持ちですね。結婚すると、それまで別々の価値観をもった相手と、新たな家庭のカラーを作らなければいけないですよね。「うちではこうだった」「今までこうやっていた」というぶつかり合いで耐えられなくなってしまう。傾向とすれば、男が勝手に出て行ってしまうのが多いです。ギャンブルの場合は、仕事をしていても面白くないからついパチンコをやってしまう。勝った時は良いのかもしれないですが、それではまってしまってうパターンですね。結局は気持ちの部分だと思うんですよ。』


j「松田さんのHPにも色々と書いてありましたね。」


『前に、HPを印刷してそれに答えを書いてきた方が居たんですよ。私はこういう考えです、と。離婚するのは届け出を出せばそれで法律的には済みますが、実際に出してから後悔する人も居るんです。先に心の整理をきちっと付けないとダメなんですよね。』


j「行政書士の方は書類作りのプロであり、行政を円滑に進めるための手助けのプロだと思うのですが、書類作りでも心の相談を受けるときでも、結局顔を合わせるのは人と人になるんですよね。やはり人と触れ合うお仕事ということなんですね。」


『何か事業を興すにも法律があって、それに準じて書類を作って許可を受けます。ですがその方の希望だけ聞いても書類は作れません。まず最初の相談段階で時間を割いて、お互いに良く分かった状態で書類を作るんです。』


j「例を挙げると、どのようなものがありますか?」


『たとえば、内容証明です。会社の経理上、売り掛けがあっても未収金の場合、帳簿から落とすのにもう債権放棄しますと相手の方に喧嘩腰じゃない内容証明をつくる…そういうのもあるのですが、たとえば同業者で軋轢が生じている時の内容証明の場合です。前に社員の引き抜きでちょっと揉めたケースがあったんですが、喧嘩しても良いことなんてないですからね。同業者同士でいがみ合ってもなんの利益にもなりません。それで、僕がちょっと違う手紙を書いたんです。』


j「どんなことを書いたんですか?」


『“今回来た社員については、社長が手塩に掛けて育てた有能な方だと十分解っています。こちらも大変感謝しています”…というような内容で書いたんです。そうしたら、向こうは何も言ってこなくなりました。ちょっとした発想の転換ですよね。』


j「松田さんが間に入っていなかったら、そのまま泥沼化していたかもしれませんね…。」


『そうなんです。時間とお金と精神力が無駄に掛かってしまう。調停して裁判となると、1年2年と掛かってしまう可能性もあります。その損失した時間があればどれだけ仕事が出来たかという話ですよね。それなら“社長、申し訳ございませんでした。でも、我々こうやって切磋琢磨していきましょう!”と、そういう方向に考えれば良いんですよ。』


j「ところで、松田さんはご相談に来られる方以外にも、ご自分の方からお店などを回って色々なお話しをされていると聞いたのですが…。」


『はい。“函館闊歩”と勝手に名付けているんですが、今どこに行っても、「良い仕事ない?」とか「不景気だ」とか聞きますよね。でも、本当にそうなのか?と思ったんですよ。なぜかというと、お昼にご飯食べに行くと、他にもみんな食べに来ていますよね。本当に不景気だったら外食になんか行けないと思うんです。ただの口伝えでの不景気なのかを“函館闊歩”で確かめてみよう思ったんです。』


j「そうですね。周りが「不景気」と言うことで、余計に変なイメージでみんな出費を控えたり節約したりと悪い意識が芽生えて街がどんどん衰退化していきますよね。」


『そうなんです。函館の街ってけっこう歩いているようで歩いてなかったことにも気付きまして、車を停めて西部地区を歩いてみたんですよ。そしてある一軒家に行ったりもしたのですが何かの訪問販売と間違えられたり(笑)』


j「(笑)具体的にはどういった話をされたのですか?」


『名刺を渡してここ最近どうですか?とか、僕も大門育ちで、大門もすっかり変わっちゃいましたがこっちに来ると心安らぐんです。という話しをしたら、あるおばちゃんが「昼間っから事件が起きてもおかしくない」と言ったんです。それだけ人が居なくなったんですよね。あのときは、だいたい30件ぐらいまわりました。』


j「それはいつから行っているんですか?」


『3月頃からです。時間のあるときにやろうと思っています。』


j「民家の他にお店も行ったのですか?」


『ええ。ただ、あんまり怪しまれるのもちょっと…(笑)けれど、怪しむというのはそれだけ人が住んでいないというのも分かりましたし、町内会が果たしてどこまで機能しているのか?というのもありました。大黒通りに行ったときあるお店が引っ越すと聞いたのですが、そこが何かイベントをやろうとしても町内会の方があまり乗り気ではなかったみたいなんですよ。』


j「たしかに、昔に比べて町内会での活動が見られなくなりましたね。」


『思うのは、携帯電話の普及も一因だと思うんですよ。』


j「あと、インターネットもですかね?」


『そうですね。昔だと、たとえば彼女に電話するのにも親に聞かれると恥ずかしいからって10円玉をいっぱい持って公衆電話に走ったんですよね~。次に待っている人に「まだですか~?」ってノックされたり(笑)あれもちょっとしたコミュニケーションだったと思うんです。今だと携帯がありますから、たわいもないことで時間をつぶして何十万という請求が来てしまったり…。何でもすぐ手に入る時代になってしまって、携帯電話とコンビニは便利なんだけれども、人を衰退化させる要素もありますよね。』


j「そうですね。携帯電話もインターネットも家にいながら出来るので、便利なんですがわざわざ外出したり自分の力で動く機会が減っていると思います。」


『食べものとかに対する期待感も薄れているような気がするんです。昔なら夜7時くらいにはお店が閉まっちゃって、食べたくても明日まで我慢していたのが、今なら11時でも12時でもやってるじゃないですか。』


j「セブンイレブンが出来た時、朝7時から夜の11時までやっているのにビックリしましたね。今は24時間が当たり前ですが…。」


『食材にも季節感が無くなってきていますよね。便利ではあるんですが我慢をすることが少なくなっているんじゃないかと思うんです。お金を出せば手に入るようになってしまったんですよね。』


j「なるほど。西部地区を歩いた時のお話ですが、直接生の声を聞いて気付いたことは他にもありましたか?」


『やっぱり今の便利になった時代の話とかですね。先ほどの町内会の話ですが、後継者がいないのも問題なんです。いわゆる地縁団体ですね。』


j「街の活性化というのは難しい問題ですよね。では、次に松田さんの開業された頃のお話を聞かせてもらえますか?」


『僕は役所に20年勤めて、それから自分で開業しました。ですが最初の頃は、経営も全くの素人で電話も鳴らず、精神的に参ってしまうような状態だったんですよ。』


j「その頃お子さんもいたのですよね?奥様は反対されなかったんですか?」


『うちのくらいでしょうね、好きにやらせてくれたのは。本当に、あの時のことは感謝しています。僕は、役所時代に出来なかったことをこの仕事を通じて真剣に取り組みたいと思ったんです。でも開業の時は本当にきつかったですよ~。行政書士ってあんまり知られていないと思うんですよね。』


j「そうなんですかね?知名度は高いですよね。」


『聞いたことはあっても、何をやる職業なのかよく知らない人が大半だと思うんですよ。』


j「それはたしかにありますね。」


『青いポストで毎月コラムを書いているので、最近少しイメージが変わってきたかな?とは思うんですが…。行政書士はとても身近な存在だと思うんですよ。「こういう場合は弁護士さんの方にご相談をしましょう。」とか振り分けをするのもひとつですし、「役所で書類を受け取りたいけれどやり方が分からない」というときに一緒に行ったりとか…。あと5年もすれば65歳以上の高齢者が人口の1/4になると言われていて、これからますますボランティア的な発想で仕事が出来る人が求められてくると思いますよ。』


j「頼れる存在、というのはこれからどんどん必要とされていきそうですね。」


『お客様がどこで選ぶのか?というのは、やはり“人”だと思います。なので最初の相談時間を大事にしたいんです。どんな仕事でも、じっくりと会話をしてその人を知ることが大切です。今は一朝一夕に答えを求めようとする人が多いですが…。』


j「すぐに答えが出ないというのはやはり不安なんでしょうね。」


『“函館闊歩”に戻るのですが、あれで人の暖かみというのにも改めて気付きましたし、案外街の様子を知っているようで知らなかったことにも気付きました。』


j「車での移動だと見落としているものが多いですよね。」


『足を使う問いのは良いですね。たまに観光客気分で街中を歩くのも楽しいですよ。』


j「そうですね。今日は色々なお話を聞かせて頂き、ありがとうございました!」


『いえ、こちらこそありがとうございました。』

関連記事(自動抽出):

mixiチェック このエントリーをはてなブックマークに追加

※このエントリーは「函館情報市場『ハコイチ!』」が行っています。

コメントはまだありません。

現在、コメントフォームは閉鎖中です。

トラックバック送信先:http://www.hakoichi.jp/blog/05_staff/11_oshime/3570/trackback/

トラックバック/ピンバックはありません。