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jam函館、道南便りのページで連載中の『ハコダテノヒト』。
4/20発売の45号では、函館市青函連絡船記念館 摩周丸 副館長の佐藤幸雄さんにインタビューしてきました。
今回も、紙面で紹介しきれなかったその内容をココでご紹介したいと思います。
ハコダテノヒト 第十四回…佐藤 幸雄さん(さとう ゆきお)さん
(函館市青函連絡船記念館 摩周丸 副館長)
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(略歴)
函館出身、65歳。水産高校・漁業科を卒業。
小樽にある水産高校の専攻科に通った後、高校で助手を勤める。
23歳から貨物船に乗り、S45年からS63年の3月13日の終航まで青函連絡船摩周丸で航海士として働く。
現在は函館市青函連絡船記念館摩周丸に勤務。
jam(以下・j)「今日はよろしくお願いします。
まず佐藤さんのお仕事内容について教えて下さい。」
佐藤(以下・佐)『主に船の管理や、お客様に館内の案内をしたりですね。』
j「あと、摩周丸の4階でひも結び体験を紹介されているんですよね?」
佐『私もやっていますが、今年の3月に退職した者が飾り結びとかをやっていたんですよ。私は元々船で教わっていたので、日常使うのに役立つ結びを紹介しています。』
j「私も以前こちらで見たことがあるのですが、ちょうちょ結びや固結びしか知らない私から見ると、一体どうやって結んでいるんだろう?というものがいっぱいありますね。」
佐『結びの種類は1,000を超えるらしいです。
実際に数えたことは無いですが(笑)。ひとつの結びに色んなやり方があって、その使い方もいっぱいあるんです。
でもここでは、みんなが知っている結びをちょっと応用すると、こんなに便利ですよというのを教えています。』
j「たとえば家庭で使う便利な結びとなると、どんなものがあるんですか?」
佐『新聞や雑誌を束ねるとき、ちょっと持ち手を付けてみたり、資源回収で段ボールを出すのに緩まない結びとかがありますよ。』
j「その結び方も元々船で使っていた結びなんでしょうか?」
佐『いえ、船に限らず山登りで使ったりキャンプで使ったりもするんです。
船も陸もみんな含めたひとつの大きな結びの種類の中から、その時に合う結びを使っているんですよ。ただ、普段使わないと忘れちゃいます。
家で何が困るかというと『物を束ねるとき』なんですよね。ここで教えているのは主にそういう結びです。だから、ここにいるスタッフはみんな出来るはずですよ。』
j「ということは、佐藤さんが担当されているのではなくスタッフの方が交代で担当しているんですね。」
佐『そうです。』
j「佐藤さんはこちらに勤務されてどれくらいになるんですか?」
佐『ここがオープンになった時からなので、18年ですね。』
j「オープン当初からずっといらっしゃるんですね。」
佐『ついに一番の古株になっちゃいました。最長務めです(笑)。
連絡船に務めたは昭和45年で18年間船が動いていて、そして船が売られていくのをひとつづつ当番しながら見送って、1年ちょっといたのかな?
だから、船から離れて陸にいたのは約1年しかないんですよ。』
j「たったの1年ですか。」
佐『動いていた船と動かない船とだいたい半分づつ居たことになりますね。』
j「ずっと船に関わってきたんですね。
船に乗っていたときにどういった部門を担当されていたんですか?」
佐『航海士をしていました。船には、船を動かす方と、エンジンの方と、通信の方と、客室の方と4つの部門があるんですが、その動かす方で航海士をしていました。航海士は三等航海士とか二等航海士とかがあって、そして船長になっていくんですよ。』
j「ちなみに、等級は何だったのですか?」
佐『昭和63年3月13日、青森から八甲田までを一等航海士として乗ってきた時が最後に船を動かした仕事でしたね。』
j「一等航海士だったんですね。」
佐『ええ、制服の袖に金色の筋が3本入っていたんですよ。』
j「あの制服すごくかっこいいです!
一等航海士には袖に金の線が入っているのが印だったんですね。」
佐『連絡船の場合は、同じ本数で部門ごとに違う色の細い線が入るんですよ。紫ならエンジン部門、白い線なら客室部門、緑なら通信部門、船を動かす部門はただの金色の線だけなんです。』
j「なるほど。部門ごとにそんな印があるなんてまったく知りませんでした。」
佐『私も最初は知りませんでした。お客様は船に乗ってくるとそんな細い線なんて分からないでしょう?』
j「そうですね。みんな船員さんでひとくくりですね…。
ちなみに一番心に残っている思い出はありますか?」
佐『失敗した思い出しか…(笑)
楽しかったこととなると、船長に認められたときとかですね。でも、思い出といったら失敗したことや怒られたことばかりですね~。
今でも昔の仲間に会うと、そんな昔話になっちゃいますよ。
霧がかかったり、吹雪になったりすると「こんな天気の日にあんなことがあったな~」って思い出だすだけで、特別楽しかったというのはあまり…。あるとしたら、野生のイルカを見たことですかね。』
j「イルカですか!私、水族館でしか見たことないですよ。」
佐『そう、だから津軽海峡は1回は渡ってみないとダメですよ~。
でも、人に話すと「よかったね」って言われますけど、仕事中だからイルカばっかり見てたらダメでしょう?怒られちゃう(笑)』
j「たしかに(笑)」
佐『もちろん毎日が楽しいことばかりじゃなく、大時化に遭ったりとか、それがあたりまえだったんで…。天気の良い日の操舵室でのみんなの会話と、悪天候の日のブリッジの雰囲気とかは全然違いますよ。』
j「やっぱり大変だったことの方が覚えているものなんですね。」
佐『それが良い思い出になっていくのかもしれないですね。
でも、津軽海峡を渡らなくなってもう21年も経ってしまったから、忘れちゃったのもありますけれどね。頭の中ではこうやって行けばいいと解っていても、今、実際に行ったら船酔いするかもしれないですし(笑)。』
j「そ、そうなんですか?(笑)。では、船員になったきっかけは何ですか?」
佐『やっぱり海と船が好きだったんで。
父親が船乗りだったというのもあるんでしょうね。』
j「では、子どもの頃から船に乗る機会がいっぱいあったんですね。」
佐『そうですね。それでなったみたいなものですね。』
j「船にはお幾つの時から乗っていたんですか?」
佐『水産高校を出て、専門学校に行って船に乗ったのは23歳ぐらいからですね。学校を出て水産学校の助手を2年ぐらいやってから普通の貨物船に乗っていたんですが、昭和45年の2月から連絡船の方に行きました。』
j「ずーっと船と海に関わってきたんですね。今お幾つ何ですか?」
佐『65歳です。』
j「ひとつのお仕事にずっと就いている方って、本当に転職なんじゃないかなって思うんですよ。」
佐『会社は変わっているけれどずっと船の仕事ですね。
たしかに好きっていうのもあるんだけれど、でも、人と会わなくて良いからっていうのもあるんですよ。』
j「あれ、でも連絡船にいたときはお客様とかいたのでは…?」
佐『客室担当はそうですね。でも、中の動かす方にいたので。
仲間だけですよ。元々人に会ったりする営業には向かないと思っていたので。』
j「ちょっと話が変わるんですが…私、泳げないんですよ。
それで、深~い海を見るとちょっと恐くて…。なので船に乗るのが少し恐くて…。船乗りさんってみんな泳げるものなんですか?」
佐『そんなことないですよ。船乗りにも泳げない人もいます。
大丈夫ですよ~救命胴衣もありますし。それに海の上でたとえ1km泳げたって意味ないですしね。救命胴衣があればぜ~んぜん心配ないですよ。
高いところから飛び込む事さえ出来れば(笑)。』
j「そうですよね…。がんばってみます(笑)。
でも、海は本当に危険と隣り合わせですから恐ろしいですよね。」
佐『やっぱり、ちょっとした油断ですよ。それに気づければ良いんですが、まぁ、何人かのクルーがいて自分一人じゃないから大丈夫。それでもヒヤリハットはありましたよ。その時は真剣だけれど後から気づいたり…。「船いませんよ~」っていったら小さい磯舟がテッテッテッテ…と…。「おぉ~危ない!!」とか(笑)』
j「一歩間違ったらと思うとドキッとしますね!
でも、船の事故って小さくは済まされないですよね。」
佐『やっぱりぶつかり方。その船によって構造も違うし、ぶつかった場所にもよりますね。見えないところに穴が空いているかもしれないしね。』
j「でも、船だと車と違って急な方向転換って出来ないですよね?」
佐『動かす人はその船の性能を覚えているはずだから大丈夫ですよ。
それでも事故は起こってしまうんですけれどね。』
j「船に乗っていたときに事故に遭ったことはありますか?」
佐『ないですよ。』
j「佐藤さんは水産高校に通ってらっしゃたそうですが、高校の時から船に乗っていたんですよね?」
佐『水産高校の漁業科にいました。カムチャッカまでタラバガニの資源調査に行ったり、サンマを捕ったりしましたよ。』
j「カムチャッカまで行ったんですか!」
佐『そうそう。だから、魚の事を勉強して連絡船に乗ったんだからおかしな話ですけどね(笑)。』
j「船に乗るには資格が必要ですが、それは卒業後にとるんですよね。」
佐『ええ。海技士というんですけれど、2年間の経験と1年間勉強をして取ります。専門学校や専攻科に行って取るんです。
今は違うかもしれませんが…。小さな船でも大きな船でも必要ですし、航行する区域や船の大きさによって級が分かれてるんです。』
j「航海士には他にどんな資格が必要なんですか?」
佐『レーダーも使うのでレーダーの資格も必要です。
今は小型船の免許も取らなきゃダメですね。』
j「どんどん厳しくなってるんですね。ちなみに、ロープ結びも実技試験とかに入っているんですか?」
佐『もちろん、船を繋げれないと困りますからね。
色んな結びがあるけれど、船には船の結びがありますから。結びはたくさんの種類があって、船で使う、山で使う、レスキューで使うと区別しているだけですけれどね。』
j「その中で家庭で役立つのが、初にお話ししていた新聞を束ねたりする結びですね。仕事の中でよほど使っている人以外は知らないですし、教えてくれるのもここぐらいですよね。」
佐『そうですね、「こうすれば家で役立つよ」と教えているのはここぐらいでしょうね。』
j「特に予約などは必要ないですよね?」
佐『ええ、もちろん要望があれば対応します。修学旅行の子ども達に体験という形でやったりもしますし。』
j「手品のようにも見えますから子ども達は喜びますね。」
佐『早くやると手品ですからね。』
j「よく本で紹介されている物もありますが、実際に見てみないと分かりにくいですよね。」
佐『本だと動きがないですから、分かりにくいんですね。』
j「でも奥深い世界ですね。」
佐『そうですね。私の考えなんですが、結びは人間が道具を使い始めたときからあったものだと思いますよ。それが帆船時代、航海者の間でもっと工夫されて現代ではガムテープとかの道具になっていったんですね。』
j「ガムテープは使い捨てですけれど、紐は何度でも使えますし指先も使うのでこっちのほうが良いのかなって思います。」
佐『結びをやっていない人はいないと思いますよ。』
j「そうですね。靴紐もそうですし、ネクタイもですね。」
佐『結びには全部名前があるらしいですよ。使う用途に合った名前なんですよ。』
j「変わった名前となると、どんなものがあるんですか?」
佐『ボーイスカウトなんかで使う、えび結びとか…。』
j「えび!それは、形がえびのように見える結びなんですか?」
佐『そうそう。紐を持ち歩くときに使う結びなんですよ。あと、首つり結びとか。』
j「おおおぉ…。」
佐『海賊映画なんか見ると、よくぶら下がっているでしょう?あれもそういう使い方だからこんな名前なんですよね。別の使い方だったら違う名前だっだでしょうし。』
~ここで、新聞結びや荷物に持ち手を付ける結びなどを実際に教えて貰いました~
j「すごいですね!こんな結び方があったなんて…おもしろいです。
しかも簡単に出来ちゃうんですね。」
佐『家でも学校でも教わらないですから、みんなあまり知らないんですよ。
これがどんどん広まっていけば良いんですけれどね。』
j「今日は色々なお話を聞かせて頂いてありがとうございました!
結びもさっそく活用します!」
佐『いえいえ、こちらこそありがとうございました。
せっかくですので、ぜひ展示の方も見ていって下さい。』
j「はい、ありがとうございます。」
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※このエントリーは「函館情報市場『ハコイチ!』」が行っています。
