ハコダテノヒト1月号~木村公一さんインタビュー~

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jam函館、道南便りのページで連載中の『ハコダテノヒト』。
12/20発売の1月号では、HAM函館芸術会議・議長の木村公一さんにインタビューしてきました。
今回から、紙面で紹介しきれなかったその内容をココでご紹介したいと思います。
ハコダテノヒト 第十回…木村 公一(きむら ただかず)さん
(HAM函館芸術会議 議長)


(略歴)
函館出身。東京で13年間プロの写真家として活動した後、帰函。
函館で活動しているグループ「りぼん」との出会いをきっかけに、HAM函館芸術会議を設立。
芸術を愛する身障者との共存共栄のため、現在も精力的に活動中。


jam(以下・j)「では、さっそくなんですが略歴から教えて頂けますか?
木村さんは函館出身ですか?」


木村(以下・木)『はい、函館出身です。』


j「こういった活動をするようになったのはいつ頃からなんでしょうか?
お仕事の他にイベントや写真展を開かれたり、あとボランティア活動に参加されたり…。」


『そうですね。写真は元々、職業として19歳のころから今までやってきたんですよ。東京に15年間いまして、2年間専門学校に通い、助手として13年間プロでの活動をしていました。』


j「函館に戻ってきたのはいつ頃なんですか?」


『33歳の頃ですね。
今年で帰ってきてちょうど10年になりました。』


j「こちらに帰ってきてからも、ずっと写真は続けていたんですね。」


『写真はライフワークにしていこうと思っていましたので、やめようって思ったことはなかったんですよ。
CLOEでやっている音楽のライブイベントは、前は「KING BISCUIT TIME(キングビスケットタイム)」という名前だったんですけれども、4周年から「Disera(ディセラ)」という名前にしまして、これに携わったのが3年前からですね。』


j「では、その頃から写真展と音楽イベントを中心に活動されてきたんですね?」


『はい。それで、このライブに「りぼん」が出てくれたんですが、「りぼん」のなみも障がい者なんです。
「りぼん」と知り合ったことがきっかけで、僕も障がい者なので「HAM函館芸術会議」という団体を立ち上げて、芸術と福祉を融合させるような団体にしていこうと思い、今年の6月16日から活動を始めました。』


j「では、まだ立ち上げて間もないんですね。」


『そうですね。』


j「でも、お仕事もされていてこういった活動もされているとなると、かなりお忙しいですよね…。」


『そうですね~。(笑)もう今は、クリスマスイベントのことで頭がいっぱいです。』


j「イベントを行うにあたってやっぱり障がい者の方達と知り合う機会もかなり多いと思うのですが、函館は他の都市に比べて、障がい者の方達と触れ合う場というのは少ない方なんでしょうか?」


『僕自身が思うに、たしかに普通に出会うというのは凄く少ないと思います。ただ、僕なんかはどうやっても障がい者には見えないでしょう?』


j「はい。」


『実は、先ほど話した「りぼん」のなみも、一見分からないんですよ。
近くに障がい者の方って実はいるんです。12月に行う「バリアフリークリスマスライブ Disera」は障がい者アーティストと名付けた方々がメインとなるんですが、彼らと出会ったことは衝撃でしたね。
9人のアーティストが参加することになったんですが、もう本当に凄い実力の方々ばかりですよ。』


j「そうなんですか。でも、そういった方達と接する場というのは中々無いですよね。」


『たとえば、何人かは新聞で紹介された人もいますけれども、普通それを見て連絡とかしないじゃないですか。』


j「紙面を見て、「あ、こういう活動をしている人がいるんだな」って思って終わりですよね。」


『でしょう?「バリアフリークリスマスイベント Disera」は、初めての試みのイベントなんですよ。
HAMのメンバーみんなで考えたことなんですが、自分でも凄いことだなって、普通やらないだろうなって思うんです。
このイベントは、もしかしたら日本で初めてのイベントかもしれないですよ。』


j「他ではまず見ることが出来ないものなんですね。」


『もしかしたら、世界でも初めてかもしれません。』


j「それだけに未知数な可能性を秘めていますね…。」


『なので、もう頭の中がグチャグチャですよ。(笑)』


j「(笑)。でも、これが函館で行われるっていうのも凄いことですよね。」


『いや、函館だからこそじゃないですか。
函館って芸術性が高い街だと思うんですよ。』


j「たしかに、函館は芸術活動の盛んな街ですよね。」


『ええ。何か根付いているんですよね。』


j「はい。アートな人が自然といるというか…。」


『そうそう。僕は東京に15年いて函館に帰ってきて、一番驚いているところはそこかもしれませんね。
函館は閉鎖的な街ですけど、音楽の部分はとっても間口が広かったんです。たぶん、ここ何年かでだんだん変わってきたんじゃないかと思います。
僕がそこをうまく誘導して、「みんなでやれば、もっとおもしろいよ」っていう様にしていきたいんです。』


j「それが障がい者の方達との和に繋がるんですね。」


『なぜ、障がい者とこういう芸術を合わせたのかっていうと…なんですが、これって、実は当たり前のことだったんじゃないかな、と。
誰も気づいていなかっただけで、普通のことなんだと思うんです。』


j「本当は自然なことなんですね。」


『分からなかっただけだと思うんですよ。
やろうと思えばみんなが出来たことなんじゃないかな。
だけどちょっと観点を変えたり、切り口を変えたりしないと見えないんです。』


j「でも、木村さん達はそこに気づいたんですよね。」


『HAMは、集まった人が本当に凄い人達ばっかりだったから、やっと気づけた!という感じだったんです。
たとえ体に障がいがあってもおもしろい事しようよ!って話になっただけなんですよね。そこで、自分達だけじゃなくって、障がい者の人でもっとおもしろい事をしている人がいるかもしれない。
じゃあ、その人達とも一緒にやってみよう。
そして、その人達を見せることによって、もしかしたら障がい者に対する認識も変わるかもしれない。
会社関係の人も、障がい者の就職を考えてくれるかもしれない。
そこまで繋がっているんですよ。』


j「最終的にはそこまで目指しているんですね。」


『最終的…そうですね。
HAMの最終目標というものがあるんですが、まず、健常者・障がい者の壁を取り払いすべての人が笑顔で毎日を送れる函館・道南圏の構築。
次に、障がい者生活支援のための基金設立。
そして、はこだてビエンナーレ開催による、芸術都市函館・道南圏の発展。この3つです。』


j「“はこだてビエンナーレ”?それはどういったものなんでしょうか?」


『“はこだてビエンナーレ”という芸術祭を開催して、イカや夜景だけじゃない、函館を芸術で盛り上げよう!という試みなんです。
イタリアのベネチアでやっているお客さん参加型の投票制の音楽祭、“ベネチアビエンナーレ”を参考にしているんです。
なので、“はこだてビエンナーレ”(笑)。』


j「なるほど(笑)。でも、普通と違ってみんなが誰でも参加出来るというのは楽しそうですね。」


『そうなんですよ。すべてに関して、広い意味でのバリアフリーなんです。どんな人間でも絶対に何か作ることが出来るでしょう?
どんな人間でも一生懸命やれば必ず芽が出るんだよ、という事なんですよね。』


j「木村さんは函館がこうなっていけたらなという、理想の未来像といったものはありますか?」


『やっぱり、函館はまだまだ閉鎖的なところが強い街なんです。
でも、「すごくいい人が多い」と他から来た人には言われるんです。
今だんだん変わってきているんですよ。HAMもまだ出来て少ししか経っていない団体ですが、パワーはもの凄くあります。
函館の人たちにも、そういうところに気づいてもらって「俺たちが何とかしなきゃいけない」って思って欲しいですね。
そこで、みんな力を合わせて一緒にやるってことを考えれば函館はガラッと変わると思うんですよ。』


j「でも、気づいている人も中にはいると思うんですよ。」


『ええ、たしかにいると思います。』


j「局地的にやっている人もいますね。
でも、たしかに大勢で一緒にやった方がよりいいですよね。」


『そうなんですよ。』


j「けれど、こういった活動は自分を削って…という部分もあると思うのですが…。」


『そこなんですよね。約29万人いるこの街をなんとかしたいって思った時に、どこまで真剣に考えるか…。
誰かそんな人が現れないかな~って思っていたら、なんだか自分になっちゃいまして(笑)。』


j「でも、お金とかじゃなく何か夢中になれる物があるっていうのはいいですよね。」


『みんながそれを持つと、函館ってさらによくなりますよね。
さっきも話したんですけれど、芸術活動をする人が多い街ですからあとワンステップでもっと変われるんじゃないかな、と思うんですよ。
だから、もっとたくさんの人に知って欲しい、気づいて欲しい。
HAMの活動を通して、そんな人たちがどんどん増えていって欲しいと思っています。』


j「なるほど。今日は色々なお話を聞かせて頂きありがとうございました!」


『いえ、こちらこそありがとうございました。』

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