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タウン情報誌jam函館 2008年7月号に掲載された記事を再編集したものです。
情報が古いので、読みたい方だけどうぞ。
実は、結構旅行好きで、それも観光地を見て歩くというよりは
知らない街並みを見て歩くのがなんとも良い。生活に迫られ必要だから生まれた景観。
酒も同じ。ファクトリーメイドではなく、その土地の水、米、酵母、気温、人がその味を左右する。
そして何よりも、その土地の『美味しいもの』と合う。
今でこそ、酵母や米などは、全国的な銘柄も普及して来たが、いやはり土地の酒は良い。
そんな訳で、函館の繁華街は本町で、地酒飲み歩き
北海道から佐賀まで行ってまいりました。
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■北の勝搾りたてと、珍味地鶏の塩から
さて、早速行って来たのは、もはや説明不要、
どの様な飲兵衛が来店しても、必ずや満足出来る『田たちか屋』。
焼酎は三百を数え、梅酒やモルト等も。
そして保管の難しい日本酒が六十種もあるとなると、
普段呑めない北国の酒があるのでは?と思い、自身も左党である店主に伺ってみたところ
日本の最東、朝日が一番早い根室の地酒『北の勝』を進めてくれた。
本来であれば、店主おすすめ栃木の『鳳凰美田』を紹介したいところだが…。
まず根室の気候、これが酒造りに向いている。
そこで生まれた『北の勝』の更に限定品『絞りたて』これは年一回しか発売されず、
本数も限られ、地元根室でも入手困難な一品。普通酒の搾りたて生酒。
にごり酒の様でありながらフレッシュな味わい。
今回それに合わせたのが、同店の人気メニューでもある地鶏のタタキを「塩から風」にした珍味。
土佐醤油で食べると円やかな味わいに。それを北の勝で流す。
濃厚な珍味とフレッシュな味わいが癖になる。
なにより関心したのが、実に通好みな給仕である。
当然立てて保管している訳だから、上澄みと滓に分かれるのだが、普通はそれを軽くふって呑む
しかし慣れてくれば、まず混ぜて呑み全体像をつかみ、次は分離した頃に上澄み、
次は滓という具合なのだが、給仕しにきた店員さんが開口一番「上澄みにしますか?滓にします?」
なかなか憎い演出である。酒好きの店主が居る店は、サービスも実に飲兵衛である
田 たちか屋
函館市本町32-4
0138-53-6461
営業/18:30〜2:00LO
不定休 カード不可
■乾坤一 特別純米辛口と仙台仕込みの牛タン焼
さて、次に移りたいが、やはり日本酒好きなら
『弘前の豊盃』や『青森の田酒』を想像すると思うのだが、
いやはりそんな安易な紹介では納得しない層の方が読んでいると思い、ここは宮城で行きたい。
宮城といえば仙台そして牛タン。
そして本場仙台から来たご夫婦でやっている『牛たん焼き専門店 梵天丸』で一杯。
うち解けやすい店である。
なんでもここのご主人は、食べ歩きが趣味でそれが高じて出来た店だとか。
入って直ぐにはカウンター、そして奥に小上がりという、店内。
まず目に飛び込むのは宮城の地酒達のメニューだ。
墨延江の純吟や日高見の中取り純米など、函館では極稀にお目にかかれるものから
日常生活では知る由もない銘柄まで、種類は多くないものの、料理を殺さない良いラインナップである。
そして、今回紹介させて頂くのが「みちのくの小京都」と呼ばれる
歴史ある街で造られた『乾坤一 特別純米辛口』。なんと飯米のササニシキで醸造されているというから驚きだ。
飯米でここまで旨味をだせるとは…。先入観は敵である。
そして肴にしたいのが、十分に熟成させた牛タンを炭火で焼いた『牛タン焼』。
最近は仕入れ産地を変え、従来より濃厚な旨味になったとか。
独特の風味は残したまま、臭みがない牛タン、それを辛口の飯米で造られた酒と合わせるのだから、不味い訳がない。食中酒としてはなかなかの酒だ。この飲み飽きしない酒、なんでも仙台では知らない人はいない定番だとか。
個人的におすすめしたいもう一杯は『墨廼江 純米吟醸』。
上品な吟醸香と旨味、これは逆に牛タンより、その他のおすすめサイドメニューと合わせたい。
牛タンではお互いを殺し合ってしまいそうで、どちらにも申し訳ない。
なによりも同店の納豆である。こちらの納豆は…
まぁそれは来店した時に、ゆっくり店の方から聞いて欲しい。
ご夫婦ともに飲兵衛なので、会話も弾むだろう。(追記・ランチもおすすめだ)
牛たん焼専門店 梵天丸
函館市本町3-16 2F
0138-32-6807
営業/11:30〜14:00・17:30〜22:00
月曜休 カード不可
次に移る前に、当然のことながら、これらは一日の出来事ではない。四日に分け実際に試飲試食した結果である。
■黒龍 吟醸 いっちょらいと福井の珍味へしこ
更に南下する、東京を越え信州も越え、やってきたのは福井。そうお分かりの通り、福井の銘酒『黒龍』。
そして函館で『黒龍』といえばこの店『ダイニング割烹 和のふ』である。
もうすでに説明不要の店となった同店で扱う日本酒は『黒龍』のみと、この街では、かなりの英断。
その甲斐合ってか、市民の『黒龍』への認知度は一気に上がった。
こちらで出して頂いたのは『吟醸 いっちょらい』誰に勧めても絶対に外さない、バランスの良い酒である。
また『いっちょらい』とは「自分にとってのベスト」という意味。
杜氏さんがそんな名前を付けるのもうなずける。
これに合わせたい肴だが…。
言わずもがな、同店は肴各種もいっちょらいである。
迷う。大沼牛も良い、本マグロは絶対に外したくない、出し巻きの演出は是が非でも誌面へ…。
迷った筆者を見透かした同店の板前さんが出してくれたのは、
即興で造ってくれた焼きねぎがのった『へしこの甘酢漬け』である。
へしこと言えば酒盗より酒盗な珍味。しかし、酢といえば醸造酒との相性は微妙である。
そこはさすが職人。「甘酢」と合わせる事により、へしこの独特の風味がなんとも円やかに。
本来であれば、多少時間をかけへしこと甘酢をなじませるらしいのだが、十分に堪能できた。
良ゝ聞けば、福井には元来ある食べ方だとか。
『黒龍』と合ったのも必然であった…。酒については、書くまでもなく「美形」だ。
とにもかくにも、同店に未訪問の方々は、是非『匠の出し巻き玉子』を楽しんで欲しい。
(追記・こちらのランチもおすすめ。弊誌スタッフも絶賛であった)
ダイニング割烹 和のふ
五稜郭町32-19
0138-32-4343
営業/11:30〜14:00
17:30〜23:00(金・土〜24:00)
日曜休 カード可
■東一 純米大吟醸 雫搾り斗瓶取りとシャコの刺身
最後になるが、一気に九州まで飛び、佐賀へ。米から自ら栽培という五町田酒造の『東一』。
そして、それを頂いたのが、全国にもファンがいるカウンターのみの店『酒房 季肴酒』である。
弊誌では、幾度となく紹介させて頂いているのだが、なんとも独特のご主人が特徴の店である。
その溢れんばかりの個性と味覚センスから織りなす料理は、意外にシンプル。
しかし奥が深い。吸い込まれる料理である。
『東一』は先にも書いた通り、こだわりの酒蔵である。
今回はその『純米大吟醸 雫搾り斗瓶取り』雫搾りで、なおかつ斗瓶取り。贅沢の極みとはこの事。
香る、一口頂く…基調香から含み香、完璧なバランス。
吟醸特有で、さもすればバランスを崩しがちな余計な果実味も殆どない。
一環して米のふくよかな旨味、甘味である。しかし、同店へ訪れたら、酒に浸っていては店主にどやされてしまう。
今回は時期もあって地物の『シャコの刺身』を頂いた。卵を持ったメスである。これは筆舌しがたい。
ウニでもなくエビでもない。シャコ?シャコでもない。そんな味わいである。
刺身で使用という事もあり、「メスの活」しか使えないとの事。
このシャコの卵と身が口の中で混ざり合えば「メスで活」と言わざるをえない。
他には自家製のコンビーフもおすすめ。缶詰のアレとは別な料理。
最高格付けA5の鹿児島県産黒毛和牛「華鶴和牛」から出来たコンビーフは、臭みがなく食べやすい。
メニューには無いが、その和牛の下ごしらえの段階(茹で終わって潰す前)。
こちらを頂いたのだが、味付けはなし、食べる時にさらっと醤油を垂らし小口ネギを。
すね肉に似た感じ、それは首の肉だとか。
最後に頂いたのが、こちらもメニューにない、鶏ガラと魚出汁のスープのラーメン。
これは説明不可。職務放棄。青森で食べた物と似て非なる物なり。
このスープ「SB食品」のあのコショーをかけると別人になる。
その遊び心に、同店を垣間見た気がした。
酒房 季肴酒
函館市本町2-1
0138-53-6461
営業/18:00〜24:00
不定休 カード可
まだまだ、本町界隈には地酒が楽しめる店がある。
『季肴酒』からほど近い『あーさん』には酒屋頼みではない日本酒が。
そして梁川町の『源七』毎回店主が仕入れにより酒の内容が変わるが、肴も旨い店である。
すこし離れて丁寧な料理とこだわりの純米酒『四季 粋花亭』。
日本酒も様々。良い酒は翌朝もすっきりである。もし、酒に悪いイメージがあるなら、先に取り上げてきたお店に足を運んで欲しい。米国(こめぐに)の舌には米から出来たお酒が合う。それを実感して欲しい。
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※このエントリーは「函館情報市場『ハコイチ!』」が行っています。








